事例1 化粧モルタルのひび割れ
化粧モルタル自体にひび割れが入ることは問題ではありません。
例えば、ひび割れ幅が0.2mm未満(ヘアークラック)であれば概ね問題なしと考えても構わないでしょう。0.3mmを越えるひび割れがある場合は深さを測ります。
化粧モルタルの厚さを除いた基礎コンクリート部に該当する深さが20mm以上ある場合は要注意となります。
事例2 基礎コンクリートのひび割れ
ひび割れ幅が0.5㎜以上であれば構造的要因の疑いが生じています。構造躯体の不具合から影響している場合や地盤沈下に起因する原因などが考えられます。
0.2mm未満(ヘアークラック)であれば概ね問題なしと考えても構わないでしょう。
0.3mmを越えるひび割れがある場合は深さを測ります。深さが20mm以上ある場合も構造的要因の疑いが生じています。
事例3 基礎コンクリートの著しいひび割れ
著しい幅のひび割れは貫通クラックの可能性が高い(※貫通クラックとは基礎表面から内部まで突き抜けて入るひび割れのことです。構造クラックと呼ぶ場合もあります。)。貫通クラックは構造躯体の不具合から影響している場合や地盤沈下に起因している可能性が非常に高いと考えられます。
また、地盤沈下に起因する貫通クラックである場合は、建物の反対側にも同様に貫通クラックが生じていることが多い(建物が折れたようなイメージとなります。)。
事例4 横方向の基礎のひび割れ
基礎コンクリートのひび割れは一般的には縦方向に発生することが多い。横方向や斜め方向、あるいは多方向に混在するひび割れには注意が必要です。
原因として基礎コンクリート打設時の施工不備、コンクリート自体の材質不良、地盤沈下に起因するもの等が考えられます。
事例5 基礎コンクリートのジャンカ
著しいジャンカが生じていると鉄筋の腐食が進みます(※ジャンカとはモルタルや砂の量が少なく、粗骨材が集中した部分を指します。)。ジャンカがあったとしても基礎コンクリートの圧縮強度にはさほど影響しません。
しかし、隙間から空気や水分が浸入して内部の鉄筋を錆びさせます。
事例6 鉄筋の露出
リフォーム時の設備業者による基礎の欠き込みが原因で鉄筋が露出しています。露出鉄筋は空気や水分にさらされることにより早期に錆びます。
過去に床下のリフォーム履歴のある方は注意が必要です。設備配線や配管のために基礎を欠き込んだり、はつられたりしていることがあります。
事例7 コンクリートの爆裂破壊
基礎のひび割れやジャンカ等から水分が浸入して鉄筋の腐食が進むと、内部の鉄筋は僅かながら体積膨張します。その膨張力が内部応力となってコンクリートを破壊します。
爆裂破壊と呼ぶこの現象が生じるまで長い年数を要します。爆裂破壊を起こした基礎の圧縮強度は著しく低下していると考えられます。